「介護福祉士ファーストステップ研修」講義レポート
- 介護福祉士ファーストステップ研修第8日程
- 2025年10月22日(水)「観察と記録の的確性とチームケアへの展開」
本日、第8回ファーストステップ研修「観察と記録の的確性とチームケアへの展開」を開催しました。今回の研修では、介護現場で日々行っている「記録」を単なる業務としてではなく、チームケアの質を高めるための重要なプロセスとして捉え直すことを目的としました。

午前中は講話とグループワークを通して、記録の必要性や目的、基本的な要素について学びました。なぜ記録が必要なのか、記録を残すことで何が変わるのかといった問いを共有しながら、5W1Hを意識した記載の方法や評価につなげる記録の視点を確認しました。「ただ書く」のではなく、「次のケアにつながる情報を残す」という意識づけが図られ、受講者からは「記録の質はケアの質に直結する」という理解が深まった様子がうかがえました。
午後は介護過程と記録の関係性を中心に展開されました。実際の介護現場の支援映像を視聴しながら、どのような観察を行い、どのように記録に落とし込むかをグループで検討しました。良い記録とは、判断の根拠や経過が分かりやすく整理され、チーム全体で共有しやすいものであることを体験的に学びました。また、状況に応じた介護サービスを提供するためには、日々の記録が「チームで考えるための軸」となることへの理解も深まりました。
今回で受講も8回目となり、受講者同士の関係性にも変化が見られました。グループディスカッションでは「自施設での取り組み」「改善のための工夫」などが積極的に共有され、互いの意見に刺激を受けながら学び合う雰囲気が生まれていました。「もっとこうしたら分かりやすい」「その視点は現場で使えそう」といった前向きな対話も多く聞かれ、研修を通じて受講者の成長と連帯感が育まれていることが感じられました。

本日の研修を通じて、受講者は記録がチームケアを支える共通言語であり、介護過程を的確に展開するための重要な手がかりであることを改めて理解しました。今後、現場に戻った際には、今回学んだ視点を活かし、より根拠のある記録とチームで共有できるケアの実践につなげていくことが期待されます。
埼玉県介護福祉士会

