「介護福祉士ファーストステップ研修」講義レポート
- 介護福祉士ファーストステップ研修第2日程
- 2025年7月23日(水)「利用者の全人性、尊厳の実践的理解と展開」
- 日本生活支援学会会長の黒澤貞夫先生の講義

講義は、介護福祉における人間の尊厳と自立の意義からスタートしました。
そもそも「尊厳とは何か」「なぜ自立が大切なのか」、そして「介護において尊厳を支えるとはどのようなことか」
といった根本的な問いを通じて、私たちのケアの在り方そのものを見つめ直す時間となりました。


「生活支援は何を根底に置くべきか」
「理念的価値と実践的価値の間にあるギャップをどう埋めるか」
利用者が「今、そしてこれからをどう生きていくか」という視点を大切にすることが、支援者としての姿勢に大きく影響することを改めて実感しました。抽象的に聞こえる「尊厳」や「哲学」といった言葉が、実は日々の実践にこそつながっていることに気づかされる講義でした。また、介護の「専門性」を高めるうえで、こうした言葉を「なんとなく」で済ませず、明確に理解し、自分の言葉で語れるようになることの大切さも学びました。専門職としての自覚を育むために、根底にある価値観や考え方にこそ、もっと目を向けていくべきだという黒澤先生のメッセージは、参加者一人ひとりの心に深く響いたように思います。

日々のケアの中で見落とされがちな「人としての価値」「生きる力」「支える意味」に立ち返り、利用者の人生にどう寄り添うかをあらためて考えるきっかけとなる、大変示唆に富んだ学びの時間となりました。黒澤先生、本当にありがとうございました。
埼玉県介護福祉士会 研修委員会

