「介護福祉士ファーストステップ研修」講義レポート
- 介護福祉士ファーストステップ研修第12日程
- 2025年12月24日(水)「セーフティマネジメント」
ファーストステップ研修では、「セーフティマネジメント」をテーマに、齋藤晋助氏を講師に迎え、介護現場における安全管理の本質について学ぶ時間となりました。

本研修ではまず、「リスクマネジメント」と「セーフティマネジメント」の違いを丁寧に整理するところから講義が始まりました。事故やトラブルを未然に防ぐための管理手法としてリスクを捉えるだけでなく、「人は必ずミスをする存在である」という前提に立ち、いかに安全な仕組みを組織として構築していくかという視点が、セーフティマネジメントの重要な考え方であることが示されました。
講義では、単なる理論解説にとどまらず、実際の介護現場で起こりうる事例をもとにした検討が随所に盛り込まれました。ヒヤリ・ハットやインシデントを「個人の問題」として終わらせるのではなく、背景要因や環境、チーム体制に目を向けて分析することの重要性について、具体的な分析モデルやトレーニング手法を通して理解を深めていきました。
また本研修では、「安全」と「生活の質(QOL)」のバランスという、介護ならではの難しさについても多くの時間が割かれました。安全を優先するあまり利用者の生活の自由や尊厳を損なっていないか、逆に生活の質を重視することでリスクを過小評価していないか――。受講生からは、自身の経験に基づいたさまざまな意見や葛藤が語られ、介護の特異性を改めて見つめ直す機会となりました。
グループワークでは、参加者同士が日頃感じている「判断に迷う場面」や「現場での工夫」を共有し合いました。一人では気づきにくい視点も、他者の意見を聞くことで新たな理解へとつながり、チームで安全を支えることの意義を実感する時間となりました。議論を重ねる中で、「安全管理はルールを守ることではなく、現場で考え続ける力そのものである」という共通認識が形成されていったことが印象的でした。
本研修を通して、受講生はセーフティマネジメントを「特別な専門知識」ではなく、日々のケアやチームコミュニケーションの中で実践していくものとして捉えることができたのではないでしょうか。今後、それぞれの現場において、本研修で得た視点や学びが、安全で質の高いケアの実践へとつながっていくことが期待されます。
埼玉県介護福祉士会 研修委員会

