「介護福祉士実習指導者講習会」講義レポート
- 2025年10月6日(月)「介護福祉士実習指導者講習会 第3日目」
- 「スーパービジョンの意義と活用及び学生理解」
2025年10月6日(月)、「介護福祉士実習指導者講習会3日目」が開催されました。
テーマは「スーパービジョンの意義と活用及び学生理解」であり、
実習指導者として学生を理解し、支援するための理論と実践を学ぶ一日となりました。

介護現場では、かつてのように同質的な人材で構成された時代は終わり、
多様な背景を持つ職員が共に働く時代を迎えています。
その中で介護福祉士には、チームをまとめ、後進を育てる教育者としての役割が一層求められています。
研修では、スーパービジョンの三つの機能(教育的・支持的・管理的機能)を軸に、
学生への関わり方や育成の視点を整理しました。
教育的機能では、知識や技術、倫理を体系的に伝えること。
支持的機能では、実習生の不安を受け止め、精神的な支えとなること。
管理的機能では、環境の整備や進捗の確認を通じて学びを支えることの重要性が確認されました。

また、グループワークでは「実習生と指導者のギャップ」をテーマに意見交換を行い、
「人によって教え方が違う」「忙しそうで声をかけづらい」などの事例をもとに、
職員間での教え方の統一や声をかけやすい雰囲気づくりなど、現場改善の具体策が共有されました。
さらに、実習生との対話では、目標を明確にし、行動を促し、結果を振り返るという
PDCAサイクルを意識することの大切さも学びました。
傾聴や承認といったコミュニケーションスキルが、実習生の安心感や成長意欲を
支える基盤となることも改めて認識されました。
加えて、事前・配属・事後の各段階でスーパービジョンを適切に活用することで、
学生の学びをより深め、教育効果を高めることができる点も整理されました。
実習は指導者一人で行うものではなく、養成校や職員チーム全体で学生を支える体制が重要であることも強調されました。

研修を通して、参加者からは「学生への関わり方を見直す良い機会になった」「教育者としての姿勢を意識して関わりたい」との声が多く聞かれました。実習指導者の関わりは、学生の将来像や職業意識を左右するほど大きな影響を持ちます。今後も「この人と働きたい」「この施設で学びたい」と思ってもらえるような指導者を目指して、学びを重ねていきましょう。
埼玉県介護福祉士会 研修委員会

