「介護福祉士実習指導者講習会」講義レポート
- 2025年9月6日(土)「介護福祉士実習指導者講習会 第1日目」
- 「介護福祉士が働く現場における法や制度の最新動向」
- 「実習指導の基本的な考え方、実習指導者に求められる姿勢」
今年度の介護福祉士実習指導者講習会が本日より開講しました。
近年、介護福祉士養成カリキュラムは大きく見直しが行われ、実習の在り方や指導体制の整備が一層重視されています。その中で、実習施設は「実習施設・事業等(Ⅰ)」と「実習施設・事業等(Ⅱ)」の二つに区分されることとなり、とりわけ「実習施設・事業等(Ⅱ)」においては、介護福祉士として3年以上の実務経験を持ち、厚生労働省が定める研修課程を修了した者が実習指導者として配置されることが必須となりました。
この要件は、介護現場での実習が単なる経験の積み重ねにとどまらず、介護の専門性を学生に正しく、そして根拠をもって伝える場であることを意味しています。本講習会はその趣旨に沿って実施されており、厚生労働大臣が定めるカリキュラムに基づき、指導者として必要な知識と実践的な指導力を体系的に学んでいくことを目的としています。介護現場を未来につなぐ人材育成の一翼を担う、非常に意義のある研修です。

初日となった本日は、介護福祉士養成校の教員による講義が中心に行われました。内容は、介護福祉士が働く現場における法や制度の最新動向、実習指導の基本的な考え方、さらに「学生の学びをどのように支えるか」といった実習指導者に求められる姿勢についてです。単なる知識の伝達ではなく、グループワークを交えた双方向の学びが展開され、参加者同士が現場経験を共有しながら、養成校と実習現場の双方の視点から指導の在り方を考える時間となりました。特に「学校での授業指導と実習現場での指導はどう違うのか」という点について、活発な意見交換が行われ、参加者からは「学生の視点に立つ大切さを改めて実感した」との声も聞かれました。

写真は、実習場面でしばしば出る学生からの質問「健側と患側、どちら側に立って介助すべきか」に対する指導の一コマです。重心移動を実際に体験することで、ただ「この側に立ちなさい」と指示するだけではなく、その根拠をエビデンスに基づいて理解することの重要性を体感しました。学生は養成校で知識として学んでいますが、それを実習現場で「体験的に理解する」ことによって、初めて知識が実践へと結びつきます。
さらに、このエビデンスに基づく説明は、実習生に限らず、介護の学習経験がないまま入職した新人職員への指導にも共通するものです。多様な人材で構成される介護現場においては、学生だけでなく新規入職者に対しても「なぜそうするのか」を理論的に伝える力が求められます。その意味でも、本講習会は介護教育担当者としての理論と実践を学べる貴重な機会となっています。
参加者は講義やワークを通じて、実習指導者としての責任の重さを感じると同時に、自らの経験を学生や新人職員へどう還元していくかを具体的に考えるきっかけを得ました。初日から熱心な姿勢が見られ、会場全体に活発な議論と前向きな雰囲気が広がっていました。
これから数日にわたり講習会は続きます。知識と実践を往復しながら、参加者一人ひとりが「指導者」としての成長を積み重ねていくことが期待されます。最終的には、学生や新規入職者にとって「学んでよかった」「現場を理解できた」と思える指導を支える存在として、各施設での人材育成の中核を担っていくことでしょう。
埼玉県介護福祉士会 研修委員会

